エレガントかつパンキッシュ
Arsenio Rodriguez “Quindembo”
2011.
01.14
学生時代、ドイツ人の留学生に会った時に、ジャーマンロック(クラウトロック)のバンドを嬉しくて連呼したが、「???」の連続だった。(アメリカのレコオタが日本にきてBoredoms/灰野敬二ってレコ屋で連呼してるようなもんか。)キューバに旅行した時、Arsenio Rodriguezが大好きだと言ったら、「あいつは亡命したからな・・・」と苦笑いだった。
キューバの巨人。盲目の暴れん坊。キューバ音楽の主砲。ほんと見かけは巨人の4番のよう。
トレスという楽器(ギターと同じく6弦の弦楽器だが、2本づつがペアになってて、3ペアを弾く形のもの。)を掻き鳴らし、アッパーなグングンものから、スローなものまでなんでもござれ。
ミニマムな編成ながらすごく豊かな音楽が流れている。ブルーノートから出ている「Palo Congo」はコール&レスポンスとパーカッションの渦にただただひれ伏すが、こちらは楽器のアンサンブルに陶酔していく。
まだまだこんなもんじゃねぇと言わんばかりのアルセニオの図太い声で覚醒し、また涎垂らして陶酔の繰り返し。Marc Ribotのカバーアルバムも良いが覚醒には至らない。
友人の言葉を借りれば、このような状態を「肩が入った」というらしい。
まさに「肩が亜脱臼」し続ける音楽。