夢な音楽たち その1
Arthur / Martin / Mono / Saitoh
2014.
01.30
ドリーミーなという形容は良くあるけど、この種の形容で紹介される音楽は夢というより、夢見心地な気持ち良く、やわらかい音楽が多い。
眠っている時に実際に見る夢はボタンを何個もかけ間違えてるのにそれに何の疑問も持たずにストーリーが進んでいく。後で考えると辻褄が合わくて一人苦笑いをしたり。
そういう意味でのドリーミーな音楽は自分の内面を投影するような力強さとサイケデリックな経験を伴う。そんな音楽の紹介。
Arthur Russell “world of echo”
アンダーグラウンドなディスコミュージックとして有名なアーサーラッセルの遺作となった四枚目。これまでのリズミックなものから一転、チェロと歌にエコーをかけまくった、独白的なアルバム。これで成立するのか?だって夢でみたもん。と返されそうな、ギリギリのバランスで成立してるのに、どこがギリギリかすらわからない怪盤。ひとつのカテゴライズから飛び出して出されたものは、セオリーもマナーもなく、それでこそ乗り越え得る不思議な音楽。
Martin Rev “Strangeworld”
SUicideの電波担当、マーティンレブ(シャウト担当のアランベガのソロも自分全開)のソロ。北斗の拳やバックトゥーザフューチャーの悪者の世界のブルースといった感じ。基本は歌心満載のブルースだけど、電波が推進力なのでドラムンベースの上でアルペジオなど、これまたボーダレスなレトロフューチャーブルース。
Mono Fontana “cribas”
友人は寝る時の音楽としてけっこういいと言ってたけど、これを聴きながら寝るといっちゃいかん、夢と現の間の溝のようなところに入り込んでしまいそうで、怖くてそんなことはできない。
アルゼンチンのピアニストによる環境音とピアノの空間音楽。
斎藤友秋 s/t
寝言のように壁に向かって歌われるブルース。時にジャンゴのように、はたまたインプロビゼーションのように。過去の音楽を自分なりに昇華した上で寝言。ギターミュージック。※ 動画は細胞文学のものです。
自分の中での括りなどでわけてまとめてみると、ジャンルを抜きにして自分のツボが見えてくるので楽しいですね。
なにかおすすめがあれば教えてもらえればと。では。