ありがたいもの。
big city orchestra
2013.
11.22
当時、京都で学生だった自分は飯代けずってもレコードを買う。数百円の食費を削って、知っていることが全てのような勢いで、数千円のレア盤を買いあさっていた。今振り返ると、そんな一日や二日でころころと品が回転するわけもないのに、家→(大学)→中古レコード屋を繰り返していた。アホだ。今書いていて改めて思う。
そんな中、よく行っていたレコード店で、死んだ目をギラギラさせながら、なんかいいのないですか。なんかいいのないですか。攻撃。そんなアホにはbig city orchestraとでもいうように渡された一枚のCD(新品)。たしか、2540円だったと思う。
当時の自分からしたら、レコード店の人は神だったので、ありがたいものとしてありがたく購入させていただき、ありがたく持ち帰った。そしてお家に帰って聴き始めると、一曲目、二曲目、おおなんかアヴァンギャルドや。ぐっときそうや。なんて思っていたら、ガーーーーーーーーーーーーーーーーー、とハーシュノイズ、サンプリングの素材集、おしゃべり、瓶の中にコンデンサマイクを入れた場合の音、ピアノの中の音、など4秒とか10秒とかのオンパレード。意味が分からない。でもありがたいはずや。2540円の新品やし。ガーーーーーーああ、ありがたい。はずや。いやもっとパンキッシュなやつの方が、、、いやこれはわかる人にはわかるはずだ。
とかなんとか繰り返しているといつの間にか「ありがたいもの」になっていた。
だって、理解できないし、ずっと変わらなく、ただの音だから。
8000円出そうが、100円出そうが変わらない音の入った円盤。
ノイズでも素材集でも聴こうと思えばけっこう楽しく聴ける。
big city orchestra は そんないろんなことを教えてくれる、ありがたいものです。