スカスカ感 X 角度ずらし感
Pere Ubu “The Art Of Walking”
2011.
02.25
4th。
前3作で活躍していたTom Herman(ギター)に代わり、テキサスからの道先案内人=Mayo Thompson(Red Krayola)が加入。
「Picnicはやめて俺についてこい」とMayoが言ったかは知らないが、本作よりRough
Tradeに移籍。イギリスをはじめヨーロッパの音楽家との繋がりも強くなっていく。これが伏線となり、80年代のDavid
Thomasのソロへと続いていったようにも思える。
70年代末のRough Trade創成期に、プロデューサーとして活躍していた(主要作品だけでも、The Fall, Stiff Little Fingers, The Raincoats, Cabaret Voltaire など。)同氏特有の、「間合いが遠いと思ってたら、斬られていた」 的な音作りが本作においても感じられる。
前作までのガレージ然としたものに、Red Krayolaの2ndやThe RaincoatsのOdyshapeのような「スカスカ感」、マイクが明後日の方向を向いていて定位が不思議といった「角度ずらし感」が混じり合い、アルバム全体での作品として仕上がっている。
そして終盤、Mayo Thompsonの”Horses”のカバーによって、もう全ては遥か彼方へ。