ブルースの円周
John Fahey “Red Cross”
2011.
01.10
元々はレコードオタクで戦前のブルースを収集していた同氏。それだけでは気が済まず、Blind Joe death という如何にも黒人ブルースマンな芸名でガソリンスタンドのアルバイトで貯めたお金でレコーディング/デビュー。
その後、サイケ時代での評価やジムオルークによる再発見などもありつつ、2001年の死去まで生涯現役。プレイスタイルはギターのフィンガーピッキング。(ゴンチチみたいなん。)髪の毛が減るたびに、音数も減り、年をとるほど独自のスタイルが顕著になる。
先述のジムオルークproduce作「womblife」前後よりJohn Faheyのエレクトリック/ノイズ要素が高まり、それは本作の前作「Hitomi」まで続く。
遺作となる本作は、その飽和気味の中から導きだした一本の線のよう。まさに、榊獏山の「よかいち」を虫眼鏡でじっくり見たような音楽。(バクザン先生はあくまで昔のCMのイメージだが。)
ブルースという音楽を円の中心に置き、彼方まで円周を広げていった。
生涯現役。なるほど。